一般病院への転職で看護師が意識すべき病院食の存在
四谷メディカルキューブでいただきます!三國シェフ監修の「間違いなく美味しい」病院食に迫る!
「一般病院の病院食は味気ない・・・」という従来のイメージを覆す、美味しさを追求した病院食が増えているって知っていましたか? 今回は、美味しい病院食の先駆者でもある四谷メディカルキューブで、実際に患者さんが食べている病院食をいただきながら、転職について広報さんにお話を伺いました!
今日のランチ(常食)のメニューです。ジューシーなメカジキのソテーは、クリーミーなソースでボリューム感たっぷり。なすとかぼちゃの素揚げは、バルサミコを煮詰めた甘みのあるソースに、ガーリックと唐辛子が隠し味。コーンスープは野菜の甘みが溶け出していて、さっぱりとした後味。やわらかな白パンと穀物パンは、提供する日に病院内で焼いているとのこと!とても一般病院の入院患者が食べる病院食だとは思えません。転職したら、思わず立場を忘れておねだりしてしまいそうです。
(転職を考える看護師からの質問)――本当にこれで、病院食の基準(1日1600kcal、塩分7.5g未満)におさまっているんですか!?
今回のランチはちょっぴりボリューミーですが、1日3食のなかでバランスをとっています。ずっと薄めの味というのではなく、うまくメリハリをつけて満足感を高めているんですよ。一般病院としては患者さんの完食率は非常に高く、平均すると90%くらいです。
(転職を考える看護師からの質問)フレンチの三國清三シェフと業務指導に関する契約を結ばれていますが、そこに至るまでは大変だったそうですね。
病院食にプロの料理人がかかわるなんて、当院ができた10年前には考えられないことでした。協力していただけるシェフを探し続けた結果、当時マンスール食(※)という概念に魅かれていた三國シェフが引き受けてくださいました。三國シェフも、普段の調理では「塩が何g・・・」と計ることはないため、当初のメニュー考案時には新たな工夫が必要だったそうです。
(転職を考える看護師からの質問)「病院食はまずい」を覆すために、どんな工夫が凝らされているんですか?
例えば、今日のコーンスープはヴォライエという洋風出汁の、二番出汁を使っています。鶏ガラと香味野菜を4~5時間煮込んだものが一番出汁、その鶏ガラに香草と岩塩を加えてさらに煮込んだものが二番出汁。患者さんに「嗜好調査」というアンケートをとっていて、そのなかの「野菜の風味を楽しみたい」という声にこたえた結果です。そのほかにも、食材を入れる順番を変える、先に炒めてから煮込むといった工夫の積み重ねが味を良くしていくと考えています。
(転職を考える看護師からの質問)食器やカトラリーも、まるでレストランのような雰囲気ですね。
こちらの食器は病院食専用に作ったもので、和食器も含めいろいろなバリエーションがあるんですよ。また、トレーの上にどのように配置するかといったことまで考えます。たとえ同じ料理でも、それがどのように提供されるかによってまったく印象は変わってくるんですよ。
一般病院の患者さんも感動する美味しい病院食の裏には、小さな心配りの積み重ねがありました。次回は、四谷メディカルキューブで栄養管理士さんにお話を伺います!
※マンスール食:フランス人シェフミッシェル・ゲラール氏が提唱した、「美しく、美味しく、心と体に優しい料理」。