メンタルヘルスのセルフチェック義務化は、療養型病院へ転職する看護師本人でも気づきにくいメンタルの不調に関して、早期発見・早期対応に結びつけるシステムです!
ストレスフルな療養型病院において、転職した看護師の皆さんの心労もたまる一方かもしれません。
療養型病院への転職後はぜひともワークライフバランスに注意して、うまいことリフレッシュしていただきたいものですが、現実的にはなかなか難しいこともあるでしょう。
ただ、療養型病院へ転職して日に日にストレスの影響で心身に不調が現れるようになったら“黄色信号”。
特に療養型病院でのメンタルの病気は、看護師が転職後は定期健康診断などで発見できる身体的な病気と違って気づかれにくく、こじらせてしまうと大変です。
もちろん療養型病院へ転職したからと言って、病気にまで至らなくても、爽快な気分で働けるようにメンタルヘルスの調子を整えておくことは誰にとっても有益ですよね。
●療養型病院でのストレスチェックの仕組みとは?
2014年6月の労働安全衛生法改正により、2015年12月から、転職によるメンタルヘルス対策として看護師に対するストレスチェック(心理的な負担の程度を把握するための検査)の実施が義務化されること、ご存知でしょうか?
これにより、看護師50人以上の療養型病院(医療施設を含む)では、毎年1回、医師や保健師などによるストレスチェックが行われることになります。
ストレスチェックの方法は、転職した看護師本人が該当する項目を選択するチェックシート方式になる見込みで、具体的な項目は今後詰められていくようです。
療養型病院ではこの回答を医師や保健師などが分析して結果が労働者に通知され、看護師が希望する場合は医師による面接指導を受けることができます。
そして、その医師の助言を受けた看護師は、転職での作業量の軽減や作業内容の転換、労働時間の短縮など、適切な就業上の措置を講じなければなりません。
●プライバシーの観点からは懸念も・・・
なかなか把握しづらいメンタルの不調を早期発見し、療養型病院の専門家サポートに結びつけるシステムとして、ストレスチェックには一定の効果があると思われますが、一方でプライバシーの観点から心配する声もあります。
メンタルの問題はとてもセンシティブで、それを転職した職場の人に知られることで不利益を被るおそれもないとはいえないからです。
この点に配慮して、看護師が療養型病院でストレスチェックを受けることは義務化されていません(療養型病院が実施することの義務化です)。
また、検査結果は療養型病院には知らされず、転職した看護師本人だけに直接通知されます(一般健康診断の結果は療養型病院にも通知されています)。
面接指導の申出をしたことを理由に、療養型病院が転職してきた看護師に対して不利益な取り扱いをすることも禁止です。
もちろん、ストレスチェックを実施する医師や保健師などには、職務上守秘義務が課せられています。
転職後のメンタル不調は誰にでも起こりうることですから、早期発見・早期対応を図るこのシステムがうまく機能することを願いたいですね