皆さんの周りにはいませんか?転職してきて遠慮で小さくなりながら時短を使って育児と仕事を両立に悩みを持つ看護師。
転職しても育児などのため、残業はもちろんフルタイム勤務も難しい看護師に対して、時短(短時間勤務)制度の活用を勧める病院が増えてきました。病院経営サイドとしては、フルタイムで働いてもらうに越したことはありませんが、慢性的な人手不足が続くなかで時短に頼る子育て中の看護師を確保しなければならない現状では、勤務する時間が限られていたとしても、貴重な人材というところに変わりはないようです。転職や求人のアピールポイント時短を子育てママに挙げることも普通になっています。
ところが、まだまだ転職でこの時短勤務制度を利用したことのない子育てママも多く、転職しても同僚や上司からの理解を得ることが難しいとの悩みもあるようです。
●神経をすり減らす時短勤務者は少なくない
時短で働く子育てママにとって最もつらい悩みは、転職後に同僚の理解が得られないケースでしょう。残業はなく夜勤も免除され、リーダー業務や患者の受け持ちをしないことも多くなるため、「あの人は楽をしている」「私たちは大変なのに一人だけズルい」といった雰囲気を出される悩みもあるようです。
職場のルールに基づいて時短制度を利用し、それに応じて時間外手当や夜勤手当を含めお給料も減っているわけですが、実際に制度を利用したことがない看護師からは、なかなかそこまでの理解が及びません。子育てで退勤時間に制約がある中、書類作成が間に合わず誰かにお願いする事になったらどうしよう、もしそうなってしまったら悪く言わそうで怖い、と転職後にハラハラして悩む看護師も少なくないようです。
転職を受け入れるスタッフたちの不満を招かないよう、子育てで時短制度を利用していると説明しながら理解・協力を求めるのは上司の務めですが、そもそも上司自体が時短に無理解なケースもあるようで、その場合の事態はさらに深刻です。子育てママにとってはまさに四面楚歌。
「人手が足りないのであれば、正社員の転職ではなくパートの看護師を活用して補えばいいのでは?」という声もありますが、病棟が最も多忙となる朝や夕方の時間帯をカバーしてくれるパート看護師は少ないため、なかなか採用ができないという現実的な悩みもあるようです。
●「妊婦はいらない」という職場で働きたい?
最近、とあるクリニックの院長が妊娠した看護師に対して「明日から来なくていい。妊婦はいらない」と言い放ち、マタハラとして国から実名公表処分を受けた件がニュースになりました。
これを聞いて「なにそれ」「酷すぎる!」と思われた看護師の皆さんは、身近で小さくなりながら育児と仕事を両立している転職してきて悩みを持つ看護師がいないか、気をつけてみてください。一方、時短で働く子育てママの側も、権利だからといって大きな顔をせず、サポートしてくれる周囲への感謝を忘れないようにしましょう。
そうして思いやりと助け合いの精神にあふれた職場が実現されれば、そこで働くすべての人にとってメリットになるはずです。