プリセプターとプリセプティも所詮は人間関係
プリセプターとうまく行かないことを悩んで早期退職してしまう新人看護師は少なくありません。プリセプターは病院側が新人看護師が早く職場に馴染んで第一線で活躍できるために導入している制度ですが、プリセプターとは言え、特別指導係としての教育を受けたわけではなく、言ってみれば部活の後輩指導と大差ありません。しかし、プリセプターにはプリセプティである新人看護師にレポートを課すなどの権限が与えられています。この点が歪みを産む原因ともなっています。本来、プリセプターは模範となるべき存在であり、すべての業務に精通しているばかりか、看護師としての考え方も確率していなくてはなりません。しかし、そんな完璧なプリセプターなどほとんどいないのが現実であり、不完全なままで指導を押し付けられているのが実態です。ここではプリセプターとの人間関係を良好に保つ方法について解説します。
自分がプリセプターになったことを想像してみればよくわかる人間関係
まず、あなたがプリセプターになったことをイメージしてみましょう。ただでさえ通常業務で繁忙なのに、何度も同じ質問をされたらどう感じるでしょう。たとえば、同期で入った他の新人看護師が要領よく指導を身につけていたら、「あの子はできるのに、あなたはダメねぇ」とひとこと言ってやりたい気分にならないでしょうか?それがまさに、あなたが感じている不満なのです。忙しそうにしていて、質問したくても話しかけられない。教えて欲しいのに答えてくれない。うっとおしそうな顔をされる。他の同期と比べられる。これらすべてのことは立場を入れ替えてみればごく自然と理解できると思います。要するに暇じゃないので構っていられないのです。では、どうすればプリセプターを良好な関係を築くことができるのでしょうか。
メモを取る習慣を身につける
まずはここから始めましょう。教えたことをちゃんとメモ取っている姿は前向きの姿勢を感じさせ、プリセプターが教えたことをメモで振り返っている姿は好感を与えます。仮に質問をするにしても「先日、こう教えて頂きましたが」と切り出せば質問に答えようとするモチベーションが格段に違います。一方、メモも取らずに質問ばかりしていたのでは「それはこの間、説明したじゃない!」と反感を買うだけです。答える方も聞き流されているような気がして気分が良くありません。まずちゃんと聞いたことを覚えて考えているという姿勢をアピールすべきです。プリセプターの言葉ひとつひとつを重要にとらえているという姿勢を見せれば、プリセプターもいい加減な指導はできないと気を引き締めてきます。プリセプターとは先生ではありません。あくまで先輩の後輩指導であると受け止めて、人間関係に重きを置いて接するようにしましょう。