一般職の女性と比較して給与が高いというのは本当か
仕事は給与の比較だけではないと言いつつも、大きなファクターであることに違いはありません。一般職の女性と比較して、非常に給与が高いと言われますが、それは本当なのでしょうか?正しい比較をした上でその有意差について解説します。
額面上での一般職の給与の低さ
さまざまなところ、一般職の女性の給与は270万円が比較の基準として使われていますが、そもそもこの数字には無理があります。女性の場合、事務や販売職が多く、技術系などの専門職人口は男性と比較して非常に低い数字です。つまり、この時点で母集団が給与が低い職種に偏ってしまっているのです。さらに一般職の女性の場合、男性は生涯働くのと比較して、30代前半で労働人口が半分以下に減少してしまいます。これは、結婚と出産が原因です。若年層の比率が高いだけでなく、辞めることを前提としている人たちを比較の対象にして議論されているわけです。現在、一般職で大卒の初任給は20万円と言われており、一年目はボーナスが全額出ませんが、2年目からは満額支給され、4.5か月分支払われています。
一般職の給与を単純に計算をすると
20万円x(12か月+4.5か月)=330万円
これが一般職での2年目の代表的な給与です。さきほどの数字と比較してみてください。おかしいですよね。国家試験を受けている身からしてみれば、高卒は比較の対象ではなく、大卒もしくは院卒の一般職給与が比較すべき相手になるはずです。さらに多くの企業では、これに残業費がつきます。入社当初はこき使われる反面、休日出勤や残業代で40HZ~80Hは付いてしまうので、軽く20万円が加算されます。
この残業代は
20万円x12か月=240万円
よって、一般職で2年目の収入は
330万円+240万円=570万円
これが比較すべき数字です。
一般サラリーマンの場合、昇格するごとに給与は上がっていくのと比較して、看護師の場合、主任、係長、課長代理、課長、次長、部長などの細かい職位が無いために、単純な年一回の定期昇給のみです。
一般職との誤った給与の比較
このように一般職との給与の比較は、一般職の女性に限った比較を行った時点で間違っています。お見せした簡単な計算と比較から、決して高い給与ではないことがわかったかと思います。それどころか、この570万円と比較した場合、すでに負けてるひとも多いのではないでしょうか。国の認定資格を持つ者としては、普通の大卒一般職と比較して給与が高いことが当たり前であり、一般職の女性の給与を比較対象として見たのでは誤った判断となってしまうことに注意してください。
<参考>日本看護協会
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