転職の歴史
日本は長い間、終身雇用制を主体としていたため転職の歴史はまだ浅い。肉体労総者向けが主であった職業安定所がオフィス労働者の比率が増え、名称をハローワークという名称に代わったのは平成に入った1990年であり、厚生労働大臣、都道府県労働局、労働基準監督署の枠組みで運営されているため、役所色が強い。一方、安倍政権のアベノミクスによって立ち直った企業は抑制していた採用を拡大し、それまでの就職氷河期で希望する企業に入社できなかった労働者が希望の企業へ転職する動きが盛んになりつつある。
1.歴史のはじまり
元々転職は自発的に職場を変えるのではなく、雇用主の勧める先に転職したり、雇用主と付き合いのある会社から乞われて転職するという形態が一般的であった。一度勤めたら定年まで勤め上げると言う日本古来の風土によるものだったのだが、バブル景気の時代に、アメリカの転職文化が流入し、若い層が年功序列ではなく、実力主義の職場へと転職する傾向が強まった。また同時期に発生した、米国や韓国のメーカーによる高待遇での日本人引き抜きも転職市場の拡大の一因となった。
2.巨大化の歴史
転職する人口が増えるにしたがって、転職情報を扱う情報誌が登場した。しかし、まだ雑誌を発行する資金力や流通基盤の障壁があったため、転職市場へ参入はリクルート系などの大手に限られていた。2000年代に入り、インターネットが爆発的に広がり、転職情報は誌面ではなく、ウエブに移行し、パソコンとネット環境さえあれば、だれでも転職情報サイトを立ちあげられるようになり、中小の転職会社が乱立し、現在では無数の転職会社が存在する。一方、時代はフリーターや派遣労働が一般化した状態になり、スマートフォンの普及により、正規社員に対する価値観が低下し、簡単に短期労働を探して収入を得るライフスタイルが広がりを見せ、転職市場はより巨大化するようになった。
3.発展の歴史
転職市場の拡大が進む一方で、業種に特化した転職専門エージェンシーが登場するようになった。特に医療系の看護師や薬剤師、医師を扱う転職会社は非常に多く、エンジニア専門の転職会社も多い。転職市場が細分化し発達した理由は、収入と勤務地というだけの観点での転職から、スキルアップや職場環境と言った業種特有の事情が求められるようになり、転職コンサルタントはより専門的な知識が必要とされるようになったからである。また最近では雇用者側も総合転職業者より業種専門の転職業者を選ぶ傾向が強くなり、更に細分化と特化が進むと思われる。しかしながら、こういった細分化はまだ歴史が浅く、この4、5年の歴史しかない企業が多いのが実態である。例えば看護師の転職サイトは2015年に100サイトを突破し、現在は発展の歴史途上にあるが、一つの市場にこれほど多くの企業が存在できる可能性は極めて低いと言わざるを得ず、今後は各業種別に6、7社に集約されていくものと予測される。
まとめ
日本では、職業安定所、ハローワークという形で始まった転職市場の歴史は、バブル期に急拡大し、利用者数の増加とニーズの多様化により民間の転職会社が大きな役割を果たすようになった。しかし、当初は信用力の高い大手企業が主体であったが、ネットとスマートフォンの発達により、利用者は企業規模を気にしない傾向が強まっている、。これは、就職氷河期によりアルバイトや派遣という働き方がひとつのライフスタイルとして確立した歴史によるところが大きい。現在、転職市場は発展の歴史の途上にあり、多くのサイトが乱立しているが、将来は一業種あたり6、7社に集約するものと思われる。
<参考>日本看護協会
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