1.【看護師が転職したくなる理由は?】
看護師といえばいわずもがな専門職です。専門的な知識を身につけ、資格を取得して初めて働けます。そのため、高い志を持って看護師になった人が大半ですが、実際は「転職したい」と考えながら働いている方が多くいます。日本医療労働組合連合会の調査によれば、仕事を辞めたいと考える看護師は「いつも思う」20.9%、「ときどき思う」54.0%と、合わせて74.9%にのぼります。しかし、転職しても新しい職場でまた不満が出てきては成功といえません。ここでは、看護師の「転職したい理由」から転職に失敗しないためのポイントを探ります。《仕事を辞めたい理由(日本医療労働組合連合会の調査から抜粋)》
- 人手不足で仕事がきつい 47.7%
- 賃金が安い 36.6%
- 思うように休暇が取れない 33.7%
- 夜勤が辛い 27.9%
- 達成感がない 26.0%
- 職場の人間関係 19.7%
⇒(参照)日本医療労働組合連合会 「2017年看護職員の労働実態調査結果報告」
次からは、具体的な部分を掘り下げて見ていきます。
2-1.【”労働時間”に関する理由】
患者の高齢化等に伴い仕事量が増えているのにも関わらず、働き手である若い人が減りつつある労働力不足は、看護師業界ではことのほか深刻な問題です。そのような背景から、年々仕事量は増加しており、長時間労働へ直結しています。特に、夜勤のある2交替制・3交代制の働く看護師は、さらに労働時間が長くなりがちです。
「人手不足で仕事がきつい」と回答した看護師の勤務体制内訳は、3交代制が49.0%、2交替制が45.6%と、日勤のみ31.8%に比べて高い傾向が出ました。また、深夜勤務の後30分以上の残業があると回答した看護師は63.8%です。
日々の労働時間が長引くと、ストレス解消の時間も思うように取れません。休日の過ごし方も、家事や睡眠でつぶれてしまうことがほとんどです。大切な趣味や仕事と家庭との両立を目指す方は、夜勤少なめ・日勤のみの職場がおすすめです。時間管理をしっかり守る意志がある職場を探すことがポイントになります。
2-2.【”お金”に関する理由】
よく、看護師はハードワークの代わりに「高給」というイメージが聞かれます。看護師の平均年収は478.3万円ですが、全職種(女性)の平均年収は377.8万円なので女性の中では若い内から稼ぎやすいという声もあります。それは一般的な職種よりも、夜勤手当や長時間労働が給与の大部分を占めるケースが多いことも一因です。⇒(参照)厚生労働省 賃金構造基本統計調査 (2017年)
しかしながら、患者対応に切りがつかないなどでサービス残業が少なくありません。また、夜勤は手当がつくものの、同じ労働時間であっても日勤より負担が大きくなります。そのため、看護師の多くが「働きに収入が見合っていない」と感じています。実際の収入金額よりも、仕事との相対的なバランスが取れていないといえるのです。お金と働き方のバランスでは、「忙しくてもいいからバリバリ稼ぎたい人」と「ほどほどの稼ぎでいいから仕事以外の時間を大切にしたい人」では大きくタイプが分かれるところです。自分の適性を確認した上で、希望に沿った働き方ができる職場を探すことが転職成功のポイントです。
2-3.【”やりがい”に関する理由】
看護師は患者と直接ふれ合うことが多く、精神的な”やりがい”を求める方も少なくありません。しかし、仕事量の多さはやりがいの感じ方にも直結します。時間外労働が多いほど仕事に達成感を感じにくく、調査では一般病棟勤務で低く、さらに夜勤交代制で低い結果になっています。看護業務に集中できていないという問題もあります。
残業の理由として挙げられるのは「記録」、「情報収集」など看護業務以外のその他業務が挙げられます。集中できる労働環境を維持できなければ、肝心の看護業務に支障が出てきてしまうのです。
やりがいを感じるには、施設形態や仕事内容も重要です。ある人にとっては、ひとりひとりと向き合う時間が取れる介護施設の方が、病院より向いている場合があります。また、興味の高い分野での専門看護師を目指すなど、適性を活かしたキャリアを積むことが現在の仕事へのやりがいへつながります。
2-4.【”人間関係”に関する理由】
看護師は女性が多く、一般的に女性の方が人間関係で複雑さを抱えやすいといわれています。医療ではチーム連携が必要な場面があるので、人間関係の状態がそのまま仕事の成果につながってしまうリスクがあります。そのように、実際に一緒に働く人たちとの関係が重要になりますが、面接した人の印象で入職を決めてしまうと失敗しやすいのです。事前に職場見学をしたり、同僚となる方々についてあらかじめ聞いてみたりすることで、対策することができます。転職エージェントによっては、その職場の退職者や採用の傾向など情報を持っていることもあります。面接で話した雰囲気が良いと、職場の雰囲気も良いと考えがちですが、実際に働く人の情報をできる限り手に入れておくべきなのです。
まとめ
✓ “労働時間”をチェック
→時間を守る意思があるかどうか。「夜勤少なめ」、「日勤のみ」も視野に。
✓ “お金”をチェック
→自分の中のお金と働き方の理想バランスを確認。
✓ “やりがい”をチェック
→将来のキャリア像を見つめなおす。看護以外の業務量に注意。
✓ “人間関係”をチェック
→転職エージェントから情報収集し、事前の職場見学も上手に活用。
自分が転職したい理由をつきつめて考えると、どんな職場を求めているかが見えてきます。命を扱う職業は他の一般的な職業よりも緊張感がつきまとい、合わない職場であればその負担は倍増します。元々、看護師は献身的な性格が多いといわれていますが、心身ともに負担が大きい職業です。無理がたたって病気になってしまっては元も子もありません。
看護師のような専門職は、転職で一気に活躍のチャンスが広がりやすいことも特長です。転職を成功させる第一歩として、上記のポイントを見つめなおしてみることをおすすめします。
<参考>日本看護協会
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