1.【東京は看護師にとってどんな場所?】
東京といえば言わずもがなの大都市で、人口も最大規模です。病院数、看護師数、看護学校や医療系の大学も多いので、高度医療を提供している病院もあります。
通常、患者は日常生活の範囲内の病院を利用しますが、東京は交通の便が良いためさまざまな地域から患者が集まります。企業の医務室など、仕事の種類自体も病院だけではなく豊富なのです。
しかしながら、医療施設が集中している割に医療水準は人口比で全国平均を下回っています。特に介護が必要な高齢者向けベッドは施設面積が必要なため、土地の値段が高い東京では難しく、突出して下回ってしまうのです。
⇒(参考)都道府県ごとに見た医療・介護の地域差(厚労省提出資料)
⇒(参考)日本医師会総合政策研究機構 地域の医療提供体制現状と将来 13.東京都
また、同じ東京でも都心部と離れた多摩エリアは、高齢者向けベッドを持つ施設が比較的多いので、都心部で介護が必要になった患者を受け入れています。
なお、多摩エリアの人口だけで421万人なので、福岡(507万人)と静岡県(377万人)の間となり全国的にも大きい人口規模なのです。
東京は全体的に人口が多いのでインフルエンザなどの感染症が流行った場合、患者数の増加率が著しく高いことも特徴です。
人口予想では、2025年は高齢化の伸びが2010年比で全国平均よりも大きく、全国94.0%に対し東京116.5%です。多摩エリアだけでも、2015年から2040年にかけて75歳以上の高齢者向け医療の需要は50%増と高まる見込みです。
そのため高齢者向けの施設は、東京全体で今後も需要が高まると予想されるのです。
なお、最近は訪日外国人の受け入れが可能な病院が増えてきています。東京の看護師の仕事には、看護だけでなく海外文化への理解、語学などを求められることが増えそうです。
⇒(参考)観光庁 訪日外国人旅行者受入可能な医療機関を全国に320ヵ所選定しました
~訪日外国人旅行者の安心・安全確保への取組みについて~
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news03_000152.html
2.【東京で求められる看護師とは?】
東京の看護師の数は10万6,911人と地域別で見ると最多です。
しかし、人口10万人対比で見た看護師の数は、他の地域で1,000~1,500人の水準内であるのに対し、東京は832.8人と大変低いのです。ちなみに近隣の神奈川は693.7人、埼玉は691.9人と、関東は他エリアより半分くらい、人口比で看護師が少ない調査結果が出ています。
そこから、東京で働く看護師は人手不足によって、忙しいことを理由に離職する背景も伺えます。
⇒(参考)日本看護協会 看護統計資料 都道府県別看護職員、人口対比
正規雇用の離職率で見てみても、全体10.9%に対し、東京は13.8%とやはり高いのです。新卒の離職率も全体7.6%に対し東京は9.2%と高くなっています。
どこも都市部は離職率が高い傾向にありますが、その中でも東京はとても入れ替わりの激しいエリアと感じられます。
⇒(参考)公益社団法人 日本看護協会 広報部(2018年5月2日) 都道府県別の看護職員離職率
東京で働く場合、仕事は人手不足にも関わらず、感染症などが起こった際の患者の増加率は一気に高くなります。
その上、東京は比較的医師の数が充足しているため院内でも医師の立場が強いことが考えられます。人口が多いがゆえに患者からのクレーム数も増えるので、患者と医師の板挟みになるケースもあり、心身ともにタフさが求められます。
⇒メディ・ウォッチ 医療現場から(2019年1月16日)
訪問看護ステーションや病院で看護師不足、看護師定着にはメンタルケアや働き方改革を―日看協
https://www.medwatch.jp/?p=24379
東京で働く大きなメリットとして、病院数が多く、職場を選ぶことができる点です。例えば、若い人も多いので研修制度を持つ職場を見つけやすいなどです。
雰囲気や人間関係を重視したり、条件アップを狙ったりと希望に沿った良い求人が見つかる可能性も格段に高くなっています。総じて給与レベルも全国より高く、月給は全国33万円に対して東京は37万円、賞与も全国79万円に対して東京は88万円です。
⇒(参考)厚生労働省 平成29年賃金構造基本統計調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450091&tstat=000001011429
専門性を磨きたいと考える看護師にとっても良い環境です。いつかUターン、Iターンしようと考えている看護師であれば、東京にいる間に専門看護師や認定看護師を取得して専門性を高めておくのもひとつの手です。
3.【東京で転職を成功させるポイントは?】
東京は看護師の求人数が全国的にも抜きんでています。同時に求職者数も多く、入れ替わりが激しいともいえます。
⇒(参考)厚生労働省 第33回社会保障審議会医療部会 看護職員確保対策について
看護師が働ける施設形態や求められる人材もさまざまです。ベテランも役職付き求人を狙えるし、間口自体が広いのが東京の転職のポイントです。交通の便が良く、距離的に離れていても通いやすいため選択の幅はさらに広まります。
従って転職支援会社も乱立しており、中には大してノウハウがない会社も目立つようになりました。看護師の転職市場は年々膨れ上がり、転職手数料は年間360億円超ともいわれています。
しっかりと転職を成功させるためには、利用する転職支援会社の見極めが必要です。
なぜなら転職支援会社は、単純な求人紹介だけではないからです。プロに相談してサポートを受けることで、転職のミスマッチを防ぐことができます。
⇒(参考)WEBRONZA 高騰する看護職員紹介手数料(2018年4月19日)
https://webronza.asahi.com/business/articles/2018041300003.html
東京は近隣からの流入人材などライバル数が多いので、良い求人はすぐに応募して、面接や書類で積極的にアピールしていく必要があります。求人情報、応募書類の書き方など有能なエージェントにサポートしてもらうとぐっと成功率が上がります。
求人数が多いと、給与の良さにだけ目がくらんでしまうケースも少なくありません。職場の雰囲気など見えにくい部分こそ、見学やエージェントを活用して調べることをおすすめします。
4.【まとめ】
✓ 【東京は看護師にとってどんな場所?】
⇒人口が多く仕事の種類は多いが、全体的にハードな傾向。
✓ 【東京で求められる看護師とは?】
⇒心身共にタフな人向き。専門性が磨きやすく研修付きも多い。
✓ 【東京で転職を成功させるポイントは?】
⇒信頼できる転職支援会社を活用。ライバルに負けないアピールが必要。
東京は他エリアと地域事情が異なる部分が大きいので、地方から東京へ転職しようとする看護師にとっては驚くことが少なくありません。
全体的に人手不足で仕事もハードな印象ですが、自分に合った求人が見つかりやすい場所でもあります。ただし転職のライバルも多いので、差別化できる自己アピールが重要です。
そのように、東京で転職を進めるのは他の地域に比べて手間が増えがちになります。スムースに転職を成功させるには、信頼できるノウハウを持つ転職支援会社を味方につけることをおすすめします。
<参考>日本看護協会
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