看護師にとってダブルワークとは
看護師は、肉体的にも精神的にもハードな職業。年収は全国平均で478万円(平成27年度)と他の職業に比べ高水準ではあるものの、「仕事がこんなに大変なのに給与が見合ってない」「せっかく看護師のスキルを持っているのだから、もっと高報酬が欲しい!」と思っている看護師は少なくありません。そこで収入を増やす方法として考えられるのがダブルワークをすることです。
ダブルワークの意味って?
ダブルワークとは、本業のほかに仕事を持って掛け持ちで働くことを意味します。主に、正社員が本職に加え空いた時間でアルバイトをすることをいいますが、中にはアルバイトのみを複数掛け持ちしている人もいます。
ダブルワークをはじめたきっかけとしては、
- もっとたくさん稼いで高収入をめざしたい
- シングルマザーで子供の教育費がかかる
といった金銭的な理由が多いです。
収入以外のダブルワークのメリット
看護師の場合、好奇心からダブルワークを考える人もいます。「今の職場に○年勤めているけれど、他の職場も見てみたい。けれどいきなり変わるのは心配。」という場合に、興味がある職場をダブルワークで経験してみれば、「やっぱり違ったかも」と感じても今の仕事を手放さずに済みます。
また、希望のクリニックに正社員の空きがないけれどパートなら空いているという時に、とりあえずパートで入っておいて、正社員の求人に空きが出るのを待つという人もいます。そういう場合は、パートに加え収入の良い夜勤のバイトを掛け持ちしておくことで、不足分を補うことができます。
ダブルワークってやっぱりしんどい?
夜勤+単発など非常勤の仕事を掛け持ちするのであれば、正社員で働くよりは責任がないと言う意味で精神的に楽かもしれません。また正社員で働く場合、シフトはどうしても勤務先が主体となってしまいますが、非常勤のダブルワークであれば希望が通るのでシフトの調整がしやすいと言うメリットもあります。自分の都合に合わせて働きたい日や働き方を選ぶことで、時間にも余裕が出てくると思います。
正社員で働きながらさらにダブルワークで仕事をする場合、やり方によってはしんどくなってしまうこともあります。休みなしと言うのは辛いですし、休みが減るのも慣れるまでは大変です。正社員で勤務する職場に迷惑をかけないためにも、定期的にしっかり休みを入れるようにし、最初は回数を少なくして慣れたら徐々に増やしていくなど、無理のない範囲で仕事をするように工夫しましょう。
看護師のダブルワークは就業規則に違反しない?
ダブルワークすることには、なんとなく後ろめたいイメージを持っている方もいるかもしれません。それでは、ダブルワークに関する規則は実際にどうなっているのでしょうか。看護師がダブルワークを始める前に絶対に確認しておくべきこと、それは勤めている会社の就業規則です。看護師のダブルワークの可否については次のように分けられます
公立病院勤務の看護師の場合
国家公務員ですので副業はNGです。看護師に限らず、公務員は副業が法律で禁止されているので、もし副業をすると懲戒免職処分となってしまうため注意が必要です。
国家公務員法では、下記のように定められています。
私企業からの隔離(国家公務員法第103条)職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
他の事業又は事務の関与制限(国家公務員法第104条)
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
公務員で副業をして、それがばれて全国ニュースになってしまった例はたくさんあります。
例:清掃作業をしていた県職員が減給処分に(2008年)
この県職員は男性で、7年の間県庁に内緒で清掃作業をしていたそうです。発覚後は、減給処分になったのだとか。ちなみに発覚したきっかけは児童手当の申請だったそうで、申請書類に添付した課税証明書に書かれていた年収金額が100万円程多いことから調査が入り、副業の発覚に至ったそうです。
私立病院勤務で就業規則に副業禁止とある場合
法律違反になるわけではなく、あくまでも就業規則に違反しているだけですが、病院によっては懲戒免職処分等の罰則が与えられることもあります。ただし私立病院で副業を禁止しているところはそれほど多くありません。
私立病院勤務で就業規則に副業禁止の記載もない場合
病院に迷惑をかけないような副業であれば基本的にOKです。
ダブルワークがばれない方法はある?
このように、国家公務員であれば副業は完全NGですが、本職が私立病院勤務で副業を行うなら「ばれないようにこっそり行う」か「堂々と行う」ということになると思います。
ただしたとえ病院で副業が禁止されていないといっても、上司にあまり良い印象を持たれないでしょうし、肩身が狭い思いをするかもしれませんので、できれば本業の職場にはバレないように副業を行いたいものです。
職場にバレないよう副業を行うには、次の3つのことに注意しましょう。
職場から離れた場所で副業をする
病院には患者をはじめ大変多くの人が出入りします。本業の職場の人にばれる可能性を少しでも減らすために、副業は本業の職場から離れた場所を選ぶようにしましょう。
確定申告を忘れずにする
副業をしている人は、副業での1年間の収入が20万円を超えた場合に確定申告をする必要があります。確定申告は義務でありそれを怠ると脱税となってしまいますし、それが職場に伝わっては元も子もありません。また税金を納めすぎていたとしても返ってきませんので、必ず確定申告は行うようにしましょう。
住民税の支払いに気をつける
本業の職場にばれてしまう原因として多いのが住民税です。住民税は役所から本業の職場に金額が通知され、給料から天引きされます。副業をしているとその分住民税の額が増えるので、職場の経理の人が「あれ、おかしいぞ」と気づいて副業がばれてしまうというリスクがあります。
これを避けるには普通徴収といって、副業の分は自分で納めに行く方法があります。普通徴収にするには、確定申告の書類作成の際に「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」という欄の「自分で納付」にチェックを入れるだけでOKです。
ダブルワークで、社会保険は大丈夫?
ダブルワークをしている人の場合社会保険はどうなるのでしょうか。まず健康保険については、2カ所以上の事業所で働く場合どちらか1つを選ぶことになります。選んだ方の社会保険事務所に書類を提出し、自分の使用する保険証が決まります。そのため看護師の場合、通常は本職の職場での健康保険のみに入ることになるでしょう。次に雇用保険については、「生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける先の雇用関係についてのみ被保険者となる」という決まりがあります。また、加入条件として「31日以上の引き続き雇用見込みがあること」、そして「1週間の所定労働時間が20時間以上であること」がありますから、こちらもメインの職場でのみ加入することになるでしょう。
マイナンバー制度導入でばれない?
2016年1月から始まったマイナンバー制度。これにより、以前よりも副業がバレやすくなったのでは、と心配している人もいるのではないでしょうか。マイナンバー制度は、国民1人に1つずつマイナンバーを付与することにより、国が国民の収入を一元化して把握し税金を正しく徴収するためのものです。そのため、マイナンバーは常勤の会社にも副業の会社にも知らせる必要がありますが、きちんと収入に応じて税金を納めていれば、わざわざ国が常勤先に「この人は副業をしていて、副業先からも収入がありますよ」と知らせるような事はしません。そのような処理をするだけでも相当な手間がかかってしまうからです。そのためたとえ副業していても、きちんと税金を納めていれば職場にばれる事はありません。ただし副業先できちんと税金を納めていないと常勤先に通知が行く可能性もありますので、必ず正しく納めるようにしましょう。
看護師以外でダブルワークしやすい仕事
「そんなに稼げなくてもいいし転職も考えてないけど、空いた時間にちょこっと稼げたらいいな。」と考えている人もいます。そのような人には、どんなダブルワークがあるのでしょうか?
スーパー
スーパーのレジのバイトは、1日4時間~OKと短時間勤務可能なのでダブルワークに向いています。社割で食料品などが安く買えるのもメリットです。
結婚式場のウェイトレス
土日がメインです。常勤にしてしまうと休みがなくなってしまい辛いかもしれませんが、登録制にしておけば都合に合わせて働くことができ、1回数時間で終わるので働きやすいです。
ハンドメイド
手先が器用で、手芸をしたりアクセサリーを作ったりするのが好きという人は、ハンドメイド作品を作ってインターネットで販売し副業にする方法もあります。趣味を通し収入が得られ、リフレッシュもできて一石二鳥です。
在宅ワーク
通勤の必要がなく人間関係の煩わしさもないというメリットがあります。通信教育の添削やホームページ制作などさまざまな仕事がありますが、中でもライターは医療知識を活かした仕事ができるので、文章を書くのが好きな人におすすめです。
高収入を得たいならやっぱり看護師のバイト
上記のような看護師以外のバイトは、およそ時給1000円程度と給料が安いです。月に数回程度の稼働では、金額としては微々たるものになってしまうでしょう。ダブルワークをして高収入を得たいなら、やはり看護師のバイトが適しています。
看護師のバイトは、常勤だけでなく非常勤や短期、単発など雇用形態の種類が非常に多いので、自分に合った働き方を選ぶことができます。働く場所も病棟だけでなく、老人ホームや訪問入浴など様々な活躍の場所があります。現在勤めている職場では得られないスキルが身に付けられるのもメリットです。
正社員の看護師がダブルワークとしてアルバイトする場合、余裕のある時にスポット的に単発で仕事をするか、月に数回でOKという職場で継続的に働いていくなどの働き方が考えられると思います。
看護師の単発の仕事としては、介護施設での看護は巡回入浴、健康診断などの仕事があります。時給1,500円程度から夜勤だと1回3万円以上の高収入の仕事もあり、特に効率的に稼ぎたいと言う場合には、老人ホームや一般病棟等での夜勤がオススメです。夜勤の仕事の場合、ブランク可など魅力的な条件が揃っています。月数回入ってくれるだけでもありがたいと言うところが多いですから、体力的に余裕がある人は検討の余地があるでしょう。
また、看護師で留学経験のある人やもともと英語が得意という人は、せっかくの英語力を生かしてバイトをしたい人も多いでしょう。ポイントは、外国人の患者が多くくる病院や海外の有名な医療機関と連携している病院、海外の医療技術の導入に力を入れている病院を選ぶことです。そのような病院では、英語力が必須ではないにしても「英会話ができると尚可」としているところが多いです。例えバイトの求人募集で英語のことが触れられていないとしても、外国人が多く住む東京で言えば広尾のようなエリアでは、外国人患者も来るでしょうから、英語力を仕事に繋げられる可能性が高くなります。このような情報を手に入れるには、看護師転職サイトに登録しておくことで、より個人の希望に合った内容を担当者から得られる可能性が高くなるでしょう。
看護師必見!お手軽ダブルワーク4選
*その1:訪問入浴
介護を受けている利用者の自宅を訪問し、看護師として利用者の体調を管理します。介護士2人と看護師1人といった少人数で回ることが多く、基本的な介護業務は介護士が行い、看護師は体調に注意しながら見守るケースが多いです。時給は2,000円程度で1日2時間から勤務可能なので、マイペースで働きたい方にオススメです
*その2:老人ホーム
老人ホームには基本的に重篤な入居者がいないので、高度な処置を求められることがなく精神的に楽なのが特徴です。現在老人ホームは増える傾向にあるので、その分求人も多いです。時給は安い施設だと1,500円程度、高い施設なら2,000円程度のところもあります。
*その3:採血
春・秋の健康診断のシーズンに募集されることが多く、学校に行って子供たちの採血をしたり企業に行って社員の方の健康診断のため採血をしたりします。日中3時間~5時間程度の勤務が多いので、子供が学校に行っている間などに効率よく働くことができ、時給も2,000円以上のものがたくさんあります。
*その4:健診
健診車で学校や役所等を巡回し、ドクターの診察の介助を行います。午前1件、午後1件というスケジュールで巡回するので、午前または午後のみのどちらかだけ働くこともできます。自分の都合に合わせて働けるので、子供が小さく子育てと両立したい方や、土日祝日は確実に休みたい方に人気があります。学校巡回の場合時給が安く1,500円程度ですが、健診センターの場合は時給2,000円以上も可能です。
ダブルワークを探そう!おすすめ転職サイトランキング
看護師のスキルを持っていれば、空いた時間で比較的負担の少ない看護系の仕事をしてさらに収入を増やすことができます。看護師以外のダブルワークという選択肢もありますが、給与はあまり良くないので、どうせなら高収入を得たいという方にはやはり看護師のダブルワークがおすすめです。転職サイトに登録しておけば、本職ではなくあくまでもダブルワークとして仕事を探したい場合でも、自分のスケジュールに合わせて仕事を探すことができます。
【1位:ダブルワーク探しなら求人数12万件以上の「看護のお仕事」】
求人数が12万件以上あるため、高い確率で条件に合う仕事を見つけやすいサイトです。さまざまな看護師のライフスタイルに対する提案力があり、もちろんダブルワークについても担当コンサルタントが経験豊富なため安心です。看護のお仕事は、他のサイトでは行っていないような斬新なサービスを行っています。24時間いつでも求人紹介や相談を受け付けているので、勤務時間が不規則でも利用しやすいサイトです。コンサルタントにダブルワーク希望ということを伝えるだけで、掛け持ちしやすい仕事を紹介してもらえます。
【2位:上場企業が運営する「マイナビ看護師」】
転職支援や人材紹介を行う業界の中では大手の、東証一部上場のマイナビが運営するサイトです。そのためキャリアコンサルタントの教育が行き届いており、丁寧なコミュニケーションで質の高いサービスをしてくれると評判です。女優の波瑠さんが出演しているTVCMや電車などの広告で看護師だけでなく、広く一般に高い知名度を誇ります。
【3位:派遣にも強い「MCナースネット」】
派遣を多く扱っているので、検索ページから「単発のみ」や「11月の土日だけ」など一日単位での仕事探しをすることができます。病院看護師だけでなく、夜勤専従、介護勤務やイベント救護待機などさまざまな人気職種の求人があります。ライフスタイルに合わせて多くの選択肢から仕事を選べることや、アドバイザーによる丁寧なコンサルティングなど、利用者満足度が95%を超える充実したサイトとなっています。
<参考>日本看護協会
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